暗号資産やブロックチェーン界隈に足を踏み入れると、耳慣れない用語ばかりでわかりづらいという方も多いのではないでしょうか。ここでは、Xamanをインストールしようと思いながら、自己管理型(セルフカストディアル)や他者管理型(カストディアル)などの用語の意味がいまいちわからないユーザー向けに、それぞれの違いについて解説していきます。
銀行口座については皆さんなじみがあると思います。銀行は端的にいうと「お金を扱う業者」です。顧客は銀行で口座を開き、お金を預け、そのお金の使い道を決めるまで銀行はそのお金を持っています。これは銀行が管理するという「他者管理型(カストディアル)」(またはホスト型)です。銀行が運営するシステム上で口座を作成し、顧客がお金を引き出すまで管理しますが、透明性を保ち責任を持つように政府が監視することになっています。
一方、以下のケースにおいては銀行が顧客口座を凍結することがあります。
マネーロンダリングやテロリスト資金供与など、犯罪に関与したことが疑われる場合
約束手形が二度不渡りとなり取引停止となった場合
債務整理(会社破産等)の開始
公租公課(税金や社会保険料など)の滞納による差し押さえがあったとき
また、顧客の資産の使い道が好ましくないと判断すれば、銀行側が送金先や送金額を制限することも可能です。
例として、英国のメガバンクであるバークレイズ銀行は顧客にこのように通知しました。
「皆様のお金を守ることは私たちの使命です。そのため、安全を期すためにバイナンスへのデビットカードまたはクレジットカードへの決済を当面の間停止します」
ソース:
Barclays Stops Customers Making Binance Transfers
顧客の大半は銀行がこのような判断を下すことを歓迎しているので、自分のお金を他者に管理してほしい人には銀行は便利といえるでしょう。
XRPレジャーを利用した他者管理型(カストディアル)アカウントを提供する暗号資産取引所が数多くあります。銀行と同様に、取引所でアカウントを作成し、そこにお金を預けます。取引所が資産を管理し、レジャー上でトランザクションをおこなう場合は仲介者として顧客の代わりに取引を実行します。
仮に、友人があなたに1,000XRP送りたい場合、取引所から割り当てられたrから始まるアドレス(XRPレジャー上の口座番号)と宛先タグ(取引所のデータベース内で割り振られた顧客番号)を友人に伝え、友人はそのrアドレスに送ります。しかし、このrアドレスはあなたのものではなく、取引所が管理するアドレスです。あなたはXRPレジャーにアカウントを所有しているのではなく、取引所のデータベース上に取引所のアカウント情報を持っているだけで、送付された1,000XRPは取引所が所有し、あなたのアカウントには1,000XRP分のクレジットが入っている状態です。
ユーザーは取引所がホスト(管理・運営)しているシステム上でアカウントを作成し、そこに資産を預けることに同意しているのでこの形態を他者管理型(カストディアル)アカウントと呼びます。
しかし、この仕組みでは取引所と顧客のどちらが実際にXRPを所有しているのかわかりにくい上に、米国ではユーザーが取引所に預けた資産は取引所の所有資産であるという判決が出ています。
ソース:
U.S. judge says Celsius Network owns most customer crypto deposits
ですが、XRPレジャーではもう一つ選択肢があります。
XRPレジャーの特徴の一つとして、誰でもネットワーク上で固有のアカウントを作成できるというものがあります。つまり、自分でrアドレスを取得し、秘密鍵を持ち誰にも管理されることなく運用できるのです。資産の使用目的を誰かに問われることもなく、自分自身が所有し、管理できます。このタイプのアカウントを自己管理型アカウントと呼びます。
XRPレジャー上の自己管理型アカウントは銀行、企業、政府など、どの組織にも管理されません。自分で管理するのです。
ウォレットサービスを提供している業者は自己管理型(セルフカストディアル)アカウントのことを「ノンカストディアル」や「アンホスト型」と呼ぶ場合があります。どちらも自己管理型アカウントを指し、違いは「セルフカストディアル」は他の言い方と比べ、「Self=自己」だとわかりやすいという点が挙げられます。
Xamanは自己管理型(セルフカストディアル)ウォレットで、アプリを通じてXRPレジャー上で直接取引ができます。Xamanでは簡単に、安全かつ堅牢なセキュリティ環境でXRPレジャーでアカウントを作成でき、より手軽にアカウントを管理することが可能になります。